
こんにちは、Gene-K です
進歩をめざす人類の歴史をひもとくと、一つの事実がくっきりと浮かび上がってくる。
衝動に訴えれば相手の反感をかき立てるばかりで、こちらの目的は達せられない。
道徳の立場から説得し、理性に訴えてこそ、提案は受け入れられる。
サミュエル・ゴンパーズ
利害を伴うコミュニケーション(説得、交渉の場面等)で必要なのは、コテンパンに相手を打ち負かす完璧な論理でしょうか? それとも、反論を抑え込む強引で強力なパワーでしょうか?
どちらも、その時と状況によって必要なチカラではあります。
しかし、答えや前例のないVUCAと言われる今の時代に大事なのは"自分自身をコントロールするチカラ"ではないでしょうか。
理性的な自分
まず、相手より冷静な心を保ち、理性的な判断ができる自分になる。そして、その状況を俯瞰する(自分が自分を高いところから見おろす)ことができるように精神的な余裕を持つ。
冷静になって俯瞰し、自分が第三者として説得・交渉している、そのアドバイザーに分身することです。それは、いまそこにいる自分から一歩引いて様子を見る。まるで幽体離脱して自分を客観視するような感じ。
目的を達成するために必要なのは感情よりも理性です。
感情はエスカレートすると、時に道理的な自分、道徳的な自分を歪め、筋道の通った考え方を押し曲げ、相手を強引に納得させようとしてしまいます。そして、こちらが感情的になればなるほど、相手は論点でなくその場の張りつめた空気と感情に鋭く反応してしまいます。説得も交渉も成立せず、対立だけが心と脳に印象付けされてしまいます。それをリセットするのは至極困難なことです。
みなさんのまわりにもいませんか? すぐに感情的になり大声で怒鳴ったり威嚇したりする人。
大抵の場合、小心者が弱い自分を見られたくないためにとる本能的な反応です。実は、肝っ玉の小さい気弱で哀れ人、論理的な会話の苦手な人、教養のなさを隠したい人・・・
そう、とても残念な人なんです。
冷静な態度は"信頼感"を与える
感情にまかせた言動は、予期せぬ争いごとを生じたりもします。
まず、会話の土壌づくりは、感情のコントロールから始まります。自分をコントロールできない人は、相手をコントロールすることは到底できません。
スマートな説得・交渉に必要なのは、Win-Winの構築です。
相手との関係性を考慮し、自分だけが全部勝ちにするところを上手に負けて、Win-Winへと誘導し、先を見て継続的な友好関係の種をまいておきます。勝ち過ぎず、負け過ぎずのちょうどいいバランス。そこに冷静さが不可欠であり、結果、信頼と安心が生まれてきます。
いわゆる Give and Take の関係構築です。ダメな人は、Give だけを欲しがります。
国と国との交渉、政治家同士の討論や議論などを見ていてもそうですよね。まるで子どものケンカのような発言、立ち振る舞いをする残念な人たちが多々います。自分の感情と思考パターンの話ばかりで、結局何が言いたかったのか、何がしたかったのかわからずにおしまい。
そういうタイプの人、反面教師として役には立ちます。でも、できれば関わりたくはありませんよね。精神的に相当疲れますので。
なにより「自己認知力」
「人のふり見て我がふり直す」も大切なヒューマンスキルです。
自分をコントロールできるという人は、自分の直すべきところは積極的に正し、次へと繋げていくことができる人です。
自己認知力(自己認識力)に富んだ人は、変革力というポテンシャルを秘めた人です。
"イノベーティブな人格者"になれる人です。
理性的な思考とアクションで。