
こんにちは、Gene-K です
記憶に残る映画「地獄の黙示録」の話。好奇心旺盛な中学生の頃に観た映画です。その難解さから1日に連続3回観ました。昭和の当時、観客の入れ替えがなかったので、そのまま居座って(苦笑)
戦争、内戦という言葉を聞くと、まず頭によぎるのがこの「地獄の黙示録」という映画です。今でも。
映画「地獄の黙示録」(Apocalypse Now)は、ベトナム戦争を題材とした1979年に公開されたアメリカ映画です。監督は、フランシス・フォード・コッポラ、主演は、マーロン・ブランド、マーティン・シーン、ロバート・デュヴァルなど錚々たる顔ぶれ。
物語は、アメリカ軍の中尉ウィルラードが、上官から与えられたベトナムのジャングル深くにあるカンボジアの国境にいるという伝説的な大佐カートンの捜索任務を遂行するため、特殊部隊の部隊を率いて内陸部へと向かうところから始まります。ワーグナー作曲の「ワルキューレの騎行」の音楽と、アメリカ軍のヘリコプターがベトナムの村を一斉攻撃。インパクトのあるシーンから始まります。
ウィルラードは、彼の任務が果たされる前に、部隊員たちと共に、戦争によって壊された人間性や理性についての深い哲学的な問いを探求しながら、ジャングルの中で過酷な旅を続けます。
物語は、カートン大佐が自らの指揮下にある軍部の専制的なやり方に反発し、狂気に陥っていくさまを描きながら、ウィルラードが深い精神的試練に直面しながら、彼の任務を遂行しようとする過程を描いています。
映画は、暴力的なシーンや戦争の非人道性を描きつつも、美しい映像と音楽を用いて、ベトナム戦争に対する深い批判的なメッセージを投影しています。
「地獄の黙示録」は、ベトナム戦争に対する意味深い批判が特徴的な映画であり、そのメッセージは複雑です。
まず、戦争の狂気や暴力性に対する警告を最も強く感じました。戦争は、個人や人間性を犠牲にしてまで行われる、破壊的で非人道的なものであり、戦争が人間の本質を変え、破壊していく有様をまざまざと見せつけられます。

また、映画では、権力の腐敗や軍事組織の暴走に対する批判も訴えています。カートン大佐が、軍の指示に背いて自己の判断で行動することによって、自らの狂気に陥っていくさまは、権力者の独善的な振る舞いがどのような結果をもたらすかを暗示しています。
さらに、映画はベトナム戦争におけるアメリカの行動を批判する意図もあります。戦争によって人々が苦しめられ、破壊され、犠牲者が出ていることを示すとともに、アメリカの介入がベトナムに対する侵略行為だったのではと問題提起しています。
これらのメッセージは、映画の中で描かれる様々なシーンや登場人物の言動から感じたり、読み取ったりできますが、でも、その受け止め方は、観る人の立場によって異なるかもしれません。戦争とはそういうものだとも。
「地獄の黙示録」は、ベトナム戦争に対する深い批判的な印象を受ける映画で、現代においても多くの教訓(学び)を得ることができます。
まず、戦争や紛争の多くは、個人や人間性が犠牲になってしまうことがあるということ。現代においても、戦争や紛争が繰り広げられており、その中で人々が苦しめられています。このことから、戦争や紛争を回避し、平和的な解決策を見つけることが重要であるということを伝えています。
また、一部の権力者や組織が自己の利益や思惑のために行動することが、どのような結果をもたらすかを示しています。現代においても、一部の権力者や組織が権力を乱用し、自己の利益を追求することがあるため、その影響を避けるために、透明性や公正性を重視することが必要であるということを痛感させられます。
さらに、映画は、ベトナム戦争におけるアメリカの介入が、ベトナムに対する侵略行為だったのではないかと問題提起しています。現代においても、国際紛争が存在しており、異なる価値観や文化に対する理解を深め、相互理解を促進することが重要であるということを示唆しています。
このように「地獄の黙示録」は現代においても多くの教訓を提供する映画であり、戦争や紛争に対する警鐘や、透明性や公正性の重要性、相互理解の促進などについての啓示を与えてくれます。
「地獄の黙示録」の音楽は、映画の印象付けに重要な要素を与えていることで知られています。
▶︎ 暴力的で重厚なサウンド
この映画の音楽は、暴力的で重厚なサウンドが特徴的です。これは、戦争の残酷さや破壊力を見事に表現しています。特に映画の冒頭部分で聴かれるドアーズの曲「The End」は、不気味で混沌とした雰囲気を醸し出す重要な要素となっています。
▶︎ベトナムの音楽とアメリカのポピュラー音楽の融合
ドアーズの「The End」もそうですが、この映画の音楽は、ベトナムの音楽とアメリカのポピュラー音楽が融合されたものであり、それぞれの文化の音楽を融合させることによって、映画の舞台であるベトナム戦争の状況を見事に表現しています。
▶︎音楽と映像のシンクロニシティ
また、この映画の音楽は、映像とのシンクロニシティが絶妙で、音楽が映像に合わせて流れることによって、戦争の悲惨さや破壊力を強調する効果が生まれ、映画の印象的なシーンとして観客の脳裏深くに印象付けられます。特に、映画の冒頭シーンで使用されているワーグナー作曲の「ワルキューレの騎行」は、非常に非情なまでのインパクトが特徴的です。このシーンは、アメリカ軍のヘリコプターが、ベトナムのジャングルを飛び回りながら、ワルキューレの騎行が流れる中で、ベトナムの村を無情なまでに攻撃するというものです。このシーンは、戦争の残虐性や破壊力を象徴するものとして印象的なものとなりました。ヘリコプターのプロペラ音や機銃の音、そしてワルキューレの騎行の激しい音楽が、映像とシンクロし、強烈な印象を与え、観客に戦争の悲惨さや狂気を知らしめます。また、このシーンは、映画全体のメッセージにも繋がっています。アメリカ軍がベトナムに介入し、その結果として起こった破壊と殺戮が、ワルキューレの騎行という壮大な音楽と共に描かれていることで、戦争の狂気を強調する効果が生まれています。このシーンは、映画史に残る名シーンとして、多くの人々に強い印象を与え続けています。

映画の中では、ベトナム文化を反映した音楽も使用されています。「地獄の黙示録」の音楽は、暴力的で重厚なサウンド、ベトナムの音楽とアメリカのポピュラー音楽の融合、音楽と映像のシンクロニシティ、ベトナム文化を反映した音楽の使用など、音楽の持つチカラで映像を際立てている作品になっています。