UKパンクに魅せられた70-80年代 〜 記憶を記録 〜

こんにちは、Gene-K です

1970年代の後半から80年代、UKからUS、NYパンクのどれもが個性的で、熱く激しいエネルギーで脳みそが火傷しそうなぐらい聴き漁っていましたが、しっくりガッツリとハマってしまっていたのはUKパンクでした。私の場合は…

パンクロックの起源と影響を探る

その当時、不況による若者たちの失業だとか、アイルランド紛争だとか、英国の混沌とした社会的背景なんかも絡んでいて、国や政治に対する若者たちのフラストレーション、やるせなさ、憤りが誕生の背景にあるとか、芸術よりもビジネス路線へと突き進んでいたロック・スタイルをうち破り、3コードでもロックはできる!むしろテクニックより心の叫びだ!というメッセージ主義、きちんとした衣装やコンサートホール(お金)なんてなくても、ボロボロの普段着でガレージでもロックはできる!という思想にすっかり感化されてしまいました。


とはいえ、ビートルズやストーンズのようなそれまでのロックを否定し、いっさい聴かないというわけではなく、パンクロック=自分たちでもできそう、といった庶民的親近感と、社会や、特に学校の窮屈さに反発する思春期特有の反骨心がぴったりマッチ。

パンク精神を崇拝するプチ思想家みたいな自分に酔ってしまっていたのでしょう。自己陶酔ですね。

その当時の日本は、社会的反抗者=ヤンキー、という印象がメジャーで、パンクなんてのは無知の底辺な存在。

ただ、多くのパンクスにとっては「他とは違う唯一無二の存在」というマイナーこそが誇りでもありました。

その源流は、日本でも、東京でもなく、最新の音楽とファッション発の「ロンドン」。憧れはカムデンパレス。

UKパンクは、ちょっとセンスが違うんですよ、みたいな、変な優越感を感じてました。まんまと、マルコム・マクラーレンのパンク・ビジネスにハマってしまったわけです。

やはり、入りは王道の、セックス・ピストルズ。「アナーキー・イン・ザ・UK」や「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」を初めて聴いたときの衝撃はいまで忘れられません。

Punk Now!おすすめのアルバム:Never Mind The Bollocks, Here’s The Sex Pistols / Sex Pistols(セックス・ピストルズ)

レコード盤に針を落とした瞬間、メロディ、ボーカルのカオスで頭の中がパニック状態。画像、映像で彼らを見た時は、攻撃的でさらに衝撃。

カラフルでツンツンのヘアー・スタイル、皮ジャンにバッチや鉄ビョウ、安全ピン、ネック・チェーン、手錠、ガーゼのシャツや足枷のついたパンツ、ビリビリのシャツやパンツ・・

そんなスタイルの若者が、お客に唾を吐きかけたり、暴れたりする、乱暴的なステージング。それに興奮して錯乱する若者たち。


頭が良いんだか悪いんだかわからなかった、ジョニー・ロットン(結局は、鬼才・天才だった)。壮絶な死であっけなく生涯を終えてしまったパンク界のカリスマ、シド・ヴィシャス

この2人の超個性的で伝説的なパンク・ロッカーの存在もUKパンクにハマった大きなきっかけです。

さらに、クラッシュ

彼らには、ピストルズ以上に社会に対する強い怒りのエネルギーを感じ、骨太なパンク・ロックとパンク・スタイルのカッコよさに魅了されました。

最初の頃の楽曲は、ちょっと乱暴で雑な感じがしたけれど、出すアルバムごとに音楽の質に厚みが増し、名曲の「ロンドン・コーリング」から、ディスコチックな「ロック・ザ・カスバ」、ロカビリーな「ブランド・ニュー・キャデラック」。

ロックの枠にとどまることなく、ジャズやファンク、ソウルのエッセンスを積極的に取り入れるなど、音楽性の進化も著しいバンドでした。

Punk Now!おすすめの逸曲:London Calling / The Clash(クラッシュ)

ピストルズとクラッシュに、もうひとつバンドを加えて「3大パンク・バンド」と表現されますが、そのバンドは人によって評価はマチマチです。

ディヴ・ヴァニアンキャプテン・センシブルといった2つの独特な個性が特徴的なダムド

Punk Now!おすすめのアルバム:Damned Damned Damned / The Damned(ダムド)

パティ・スミス・グループのサポートバンドとして名が知られ、あの日本通で三島由紀夫氏に傾倒していたジャン・ジャック・バーネルを中心に過激なステージングで話題だったストラングラーズ

日本では少し地味な印象で、パンクというよりもむしろモッズ的なセンスの強かったジャム

Punk Now!おすすめの逸曲:In The City / The Jam(ジャム)

その他、バズコックスや、パンク界のアイドル、ビリー・アイドルがいたジェネレーションX などなど。

UKパンクをきっかけに、テレビジョンブロンディトーキング・ヘッズパティ・スミスなど、個性的なアーティストにも私の興味の対象はどんどんと限りなく広がっていきました。

イギー・ポップニューヨーク・ドールズラモーンズルー・リードヴェルベット・アンダーグラウンドニコとか、逆にUKパンクに影響を与えていたアメリカのバンドやアーティストなどにも興味津々に。

単調だけど激しいサウンド、過激な歌詞、挑発的なステージングやファッションは、とてつもなくパワフルでエネルギッシュで、新鮮で、ワクワクするバンドやアーティストがいっぱい。

また、パンクというカテゴリーも、80年代から90年代にかけて、ハードコア・パンク、Oiパンク、パンカビリー、ガレージ・パンク、ポジティブ・パンク、スカ系・カルト系、ポップ系、メロコア系など、いろいろなジャンルに細分化され、さまざまなバンドが台頭してきたり。(このあたりでパンクに息切れ…)

また、パンク・ロックが引きがねとなって、その後、ロンドンを中心に、空前のディスコ・ブームと相まって、「ニュー・ウェーブ」という、今までとは違う音楽のスタイルがどんどん広がっていき、私の関心も無制限に広がっていった、そんな80年代でした。


* おしまい *

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